近所の冬の田んぼに雪が積もりました。
日の出と同時に様子を見に行くと、タヒバリが食べるものを探しているところに出会うことが出来ました。
朝日を浴びた雪は白からピンク色やオレンジ色をしてとても綺麗で、タヒバリの存在を引き立てています。
タヒバリとはどんな鳥
冬鳥として北から渡ってきます。
セキレイに近い種類で、餌をとる場所も似ています。
冬の河川の淵や農耕地、草地などでよく見られます。
背中はオリーブ色から褐色で、雨覆いの縁が白っぽい色をしていて、二本線があるように見えます。
目の上と、嘴の付け根から目の後ろ側へ向かって頬の下を通る白っぽい線があり、胸には濃い茶から黒っぽい班が出ています。
お腹も白ではなく少しオリーブ色をしています。
脚と、嘴の付け根は肉色からオレンジ色をしています。
鳴き方は名前の由来となっている(pipit)の様にピッピッと鳴きます。

下塗り
今回はF3号のキャンバスを使用しました。
下描き
鉛筆で下描きします。

鳥の部分は形をシッカリと正確に描きます。
そして、雪のデコボコの位置も描いておきます。
墨入れ
鳥の形を描いておきます。

バーントシェンナに黒を混ぜた焦げ茶色で鳥の輪郭を描いておきます。
この段階で雪を描いていく際に鳥の輪郭が分からなくならないようにしておきます。
雪の陰の下地作り
雪の下色を塗る。

雪は山の手前側は全て陰なので、そこに雪の陰色として青紫色を塗っておきます。
下塗りなので、べた塗で結構です。
更に赤紫色も塗っておきます。

赤紫色は雪全体に塗ります。
雪の明るい部分の下地作り
光が当たっている部分に色を付けます。

光が当たっている部分は真っ白ではなく、ピンクっぽい色も見えています。
薄い赤紫にもう少し赤を加えそれをジェルメディウムで透明にした絵の具を光の当たっているところに塗っていきます。
雪を描く
雪の暗い部分
雪の凹んだ部分の色を濃くする。

雪の陰色の草の生えている部分は窪んでいるので、その部分を更に紫を塗って暗い色にします。
雪の表面を作る
雪の粒々をディテールを付ける。

白に赤紫色を混ぜた絵の具をたたき筆で雪の表面のザラザラした感じを出していきます。
絵の具を筆先に少量付けて、置くようにして粒々を描いていきます。
絵の具を余りつけ過ぎないようにしましょう。
雪の陰作り
雪の表面の陰色を付けます。

青紫色で光の方向を意識して陰になる部分に色を乗せます。
細い筆で点々と描いていってください。
雪のキラキラを作る
雪のキラメキを描きます。

細い筆で、生の白を丁寧に一つ一つ少し盛り上がるように厚塗りしていきます。根気よく!
日の当たる雪を描く
雪に日が当たり眩しく見える部分に色を付けます。
雪に朝の光を付ける
まず、雪全体にピンク色に少しオレンジ色を混ぜ、ジェルメディウムで透明にした絵の具を被せます。
次に平らな部分に黄色を所々に塗ります。
雪の白さを強調する
光の当たる部分の白さが欲しいので、生の白を使います。

光が当たり輝く部分、雪の山の頂上部分と山と山の間の鳥がいる平らな部分に生の白を乗せます。
タヒバリを描く
まず、脚の部分を茶にオレンジを混ぜた絵の具で丁寧に描いておきます。
鳥の色の濃い部分を描く
鳥の胴体、羽と頭部を下塗りします。

バーントシェンナに少量の黒を混ぜた絵の具を頭部と羽と胸の班を描いておきます。
鳥の明るく見える部分を描く
鳥の黒い部分以外の色を塗ります。

イエローオーカーにバーントシェンナを混ぜた絵の具で胸から腹にかけてと頭部と頬そして、背中部分を塗っていきます。
鳥の白っぽく見える部分に色を付けます。

目の周りとまゆ線そして、雨覆い先端の白の部分に白に胸に塗った絵の具を少量混ぜた色で塗っていきます。
明るく見える部分の色を濃くする
タヒバリは逆光で鳥の殆どが陰になっているので、全体に暗い色となっています。
そこで、タヒバリの明るく見える部分に陰色を塗ります。

胸から腹にかけてと顔と背中にバーントシェンナにジェルメディウムで透明にした絵の具を塗っていき全体を暗くします。
胸の班を描く
胸の班を描きます。

色を重ねて薄くなった胸の班を描き起こします。
バーントシェンナに黒を少し混ぜた焦げ茶色で胸の班を描いていきます。
鳥に光が当たっている部分を明るくする
タヒバリに光が当たっている部分を明るくします。

イエローオーカーに白を加えた絵の具を鳥の左側の明るく見える部分に塗ります。
班のところも塗って、班の色を明るくします。
鳥に朝日の色を付ける
朝の光は黄色やオレンジ色をしています。
鳥の羽にもその色が写り込んでいるので、その部分を描きます。

オレンジに少し白を加えた色と、黄色に白を加えた色を鳥の左側に塗っていきます。
草を描く
草は稲を刈った後に伸びたものです。
雪の凹凸の窪んだ部分にその草が生えています。
草の根元の色が濃い部分を描く
まず、草の根元の色が濃い部分を描きます。

草の根元の色をバーントシェンナに黒を少し混ぜた色で元の部分だけ描きます。
草の基本色で草を描く
草色の基本色で草を描きます。

イエローオーカーで草の形を描きます。
草の陰色を付ける
次に草の陰色になるイエローオーカーにバーントシェンナと少し黒を混ぜた絵の具を作ります。
この色を草の右側に色を乗せます。
左側の明るい部分に元の色を少しだけ残すようにします。
草の明るい部分を描く
草にも朝陽が当たっているので、その部分を塗っていきます。

まず、イエローオーカーに白を加えた色を明るく見える部分に塗っていきます。
次に、朝日できれいに見える部分に、先に塗った絵の具にオレンジを加えた色を所々に付けていきます。
仕上げ
細かい部分の微調整をします。
特に嘴と、目は気を付けて調整します。

こんな感じで完成としました。
まとめ
今回は鳥の姿と共に、朝陽が雪に反射してとても美しい情景だったので是非皆様にお見せしたいと思い描きました。
伝えることは出来ていますでしょうか。
この雪の表情を描くのはとても難しく、だいぶ試行錯誤して漸く完成しました。
皆さんも挑戦してみてください。
動画もありますので、参考にして下さい。

ここまでご覧いただきありがとうございました。
こんにちは。
画家の佐藤 静です。