比較的近くにある公園の小さな池にチョウトンボがいます。
チョウトンボが現れる夏になると、この昆虫を撮影しようとする人が結構大勢やってききます。
人気者なんです。
私も何故か見に行きたくなるような、魅力がありますね。
この池は本当に小さく池というよりもビオトープといった方が良いのかもしれません。
いろいろな生物がここを利用しています。
チョウトンボとはなに
昆虫には間違いないですが、チョウ(蝶)なの?トンボ(蜻蛉)なの?
トンボです!
トンボは縁起が良く、「立身出世」、「必勝祈願」、「勝機運上昇」などのご利益があるそうですよ。
チョウと名前に付いているのは後ろの羽の幅が広く、まるでチョウのようにフワフワと飛ぶことからこう呼ばれたらしいです。
フワフワ飛んでいるのを見つけても、黒いトンボとしか思えないのですが、留まっているトンボをよく見ると、黒い部分への光の当たり方で青や紫~緑をした金属光沢のきれいな羽色を見せてくれます。
留まっているチョウトンボを見る際は、いろんな角度から見てみるとその色の変化が面白いですよ。

これが今回のお題です。
下描き
鉛筆で下絵を描いておきましょう。

トンボの形は残すように色をのせますが、葉っぱの形は分からなくなるかと思いますが、この段階で葉っぱの位置や形を鉛筆で描いて覚えておきます。
背景を作る
背景となるのは、蒲(ガマ)の茎や葉が水面に映っている様子です。
濃い色から塗る
まず、濃い色から塗っておきましょう。

パーマネントグリーンにフタロブルーを混ぜた色を水で薄めた色と、更にライトグリーンを加えた色を縦のストロークでざっくりと置いていきます。
*上の写真は次の工程に行ってしまってます。
緑の明るい部分を塗る
水面に映っている色の多くは明るい色です。

ここではライトグリーンにイエローを混ぜた明るいグリーンにジェルメディウムで透明にした絵の具を縦のストロークで全体に塗っていきます。
先に塗った濃い緑にも被せるようにして塗ります。

更に、全体に塗っていき下の濃い色を覆っていきます。
草の質感を付ける
ここでは、敢えて背景の縦のストロークに質感を付けていきます。

絵画にしていくと草が水に映っている印象が分かりにくくなるので、敢えてすこし盛り上げるように塗っていきます。

何度も塗っていき、下の濃い色のストロークが見えなくなるようにします。

先ほど塗った色に、少しイエローオーカーを混ぜて同じように塗っていきましょう。

大体この位初めに塗った濃い色が薄っすらわかる程度になればOK です。
モチーフを描く
主題のチョウトンボと葉っぱを描いていきます。
トンボの形をとる
チョウトンボの形はまだ薄っすら見えてますので、形に沿って墨入れします。

フタロブルーに黒を混ぜた色を水で薄めて面相筆などの細い筆で正確に形を取ります。
トンボの下色を塗る
チョウトンボの下色を付けていきましょう。

墨入れした絵の具で、トンボ全体を塗っていきます。
べったり塗るのではなく、それぞれの形に塗ります。
トンボの頭は、目の形を意識して、胴体(腹)は節があるのでそこを意識して、羽の部分は網の目構造をしている翅脈(しみゃく)を意識して塗っていきます。
葉を描く
葉の部分も大事なモチーフですので描いていきましょう。
草の形をとる
背景を塗って下絵が分からなくなっていると思います。
僅かに見えているところを足掛かりにしてもう一度鉛筆で薄く描き、そこに下塗りをしています。

下塗りにはライトグリーンに少量のパーマネントグリーンを混ぜて作った色を葉の形にべた塗します。
色の濃い葉っぱの下塗り
葉の陰部分の緑色の濃い部分に色をつけます。

パーマネントグリーンにフタロブルーを少量とイエローオーカーを加えた濃いグリーンを作ります。
まず、葉の裏の濃い部分に葉脈に沿って色を付けます。
葉の裏側と表側に色の濃さをよく観察して付けていく絵の具の量を調整しながら塗っていきましょう。
色の薄い葉っぱの下塗り
葉の色の薄い部分つまり、光が反射している部分に色をのせます。

白にパーマネントグリーンとイエローオーカーをわずかに混ぜた明るい色をつくります。
これを葉の白い部分に塗っていきます。

葉の縁が白く見えている部分にも忘れずに塗っていきましょう。
茶色い部分を塗る
葉の茶色く変わっている部分を描きます。

意外とこの茶色い部分が葉っぱをリアルに見せますので、しっかり観察して色をのせましょう。

枯れて垂れ下がっている葉っぱも描きます。
絵画なので、不要な部分は描かなくても良いのですが、ここでは枯葉も描いておきます。
葉っぱの白く光っている部分を塗る
先に塗った葉の薄い色の部分で、白く光っている表情の部分に更に白い色をのせましょう。
ここでは、チョウトンボが留まっている葉がメインですので、周りよりも少し目立つように。

先に塗った葉の白い部分の絵の具に、更に白を加えてかなり白い色を作ります。
白く光っている部分でも若干の濃淡がありますので、よく観察して塗っていきましょう。
背景の水が光って見える部分に白い丸を置き、指先やスポンジでチョンチョンとして絵の具をぼかします。
トンボをシッカリ描く
羽の色の濃い部分を描く
チョウトンボの特徴である黒い色を塗っていきます。

羽の翅脈(しみゃく)の太い部分を描きます。
羽の色の濃い部分にはシッカリ塗りましょう。
胴体(腹)の節と脚を描く

胴体(腹)の節を描きます。
頭部の顔と、目の形を描きます。
また、この時に足も描いておきましょう。
羽に色の無い部分を描く
羽の先端には色が付いていない(透明)の部分があります。ここの下塗りです。

白に背景に塗った薄いグリーンを混ぜた色をべた塗しておきます。
顔を描く
顔の部分を描きます。

まず、目の部分に薄い紫を目の形を意識して塗ります。
上の方には濃く、下の方に行くにつれて薄塗します。
顔の作りは細かすぎて描けませんので、黒で光が反射していない部分を濃くしていきましょう。
羽に青く見える部分を描く
羽が光って色づいている部分を描いていきます。

少し白っぽく見える部分でも青み掛かっている部分には白に青い色を加えた絵の具で、翅室(ししつ)薄い膜の部分の形を意識して絵の具をのせていきましょう。

赤紫に見える部分と緑っぽく見える部分の翅室(ししつ)にも同じように色をのせていきます。
羽の明るい部分を描く

翅室(ししつ)が特に白く光っている部分には生の白をのせていきましょう。
胴体(腹)を描く

胴体(腹)部分の節の白い部分を描きます。節の上側ですね。
目にも光の反射の白を入れましょう。
仕上げ
細かいディテールを描く。

羽の先端にある透明部分には背景色の緑を薄塗します。
胸の上側と脚の毛を薄く描きます。
今回はこんな感じで完成としました。
まとめ
如何でしたか、チョウトンボの絵画制作?
夏場の熱い時期ですが飛んでいるのを見に行きませんか。
私、虫嫌いという方もトンボや蝶々なら見るだけなら癒されますよ。
これからも鳥以外の動物や昆虫なんかも描いていきたいと思っています。
動画も併せてせて見てね!
動画には音声がありません。
BGMが流れます。

ここまでご覧いただきありがとうございました。
こんにちは。画家の佐藤 静です。