アクリル絵の具の毒性や服に付いてしまった時の落とし方などを知りたい方も多いと思います。
そこら辺をどのように判断していけばいいのかを説明していきますね。
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絵の具への表示マーク
APマーク(安心マーク)
アメリカのACMI(米国画材・工芸材料協会)がこの製品はASTM(米国試験材料協会)規格D4236(慢性的有害物)と米国有害芸術資材表示法(LHAMA: Labeling of Hazardous Art Materials Act)の基準に準拠(有害物質は含まれていません)としていて安全ですと認めたときに付与されるマークがあります。
それが、APマークです。
このマークの付いている製品は全く不安なく使える安心マークですね。
CLマーク(警告マーク)
製品の中にこのAPマークの無いものだったり、CLマークがついているものは少し注意が必要になります。
Cautionary Labeling(警告ラベル)の略で、使用方法によっては健康障害を起こすおそれのある製品のラベルに表示されます。
このCLマークが付く色は大体こんな色になります。
- 白でも種類が多いですが、シルバーホワイトに鉛白が使われていたら注意です。
鉛中毒のおそれありですが、現在はあまり使われていないと思います。
大体チタニウムホワイトが多いです。 - 次に黄色系から赤系のうち、カドミウムイエローやカドミウムレッドなどカドミウムの文字があれば注意です。
現在も多く使われています。
公害病のイタイイタイ病が知られています。 - また、青い色のコバルトブルーなどのコバルトが使われたものは注意してください。
- それから、朱色のバーミリオンという色ですが、これは水銀がつかわれているので、注意しておきましょう。
ただし、水銀でも有機水銀(メチル化水銀)ではないので大した問題はないと思います。
なんだかアクリル絵具は恐ろしいものと思われ方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはないです。
どうしても心配だなと思われる方は、この種類の絵の具ではなくて、似たような色合いの絵の具を選んでみてはどうでしょう!
水彩絵の具も油絵の具も同様に同じような顔料が使われているので、APマークやCLマークを使います。
ここで取り上げたCLマークが付くような色はごくわずかです。
因みに、コバルトやカドミウムといった表示でもその前に(HUE)ヒューと記載されているものは、実際はその物は使わず、その色を再現しているという意味なので、APマークになっている可能性もあります。
取り扱い上の注意について
絵を描きながらの飲食は注意してください。
CLマークが付いた絵の具を大量に飲み込んでしまったり、定期的に取り込んでしまう恐れがあるので、そこを意識しながら絵画制作をすることをお勧めします。
経口による吸収が最も影響が出るでしょうね。
特に小さいお子さんや、ペットのいるご家庭は注意してあげてくださいね。
また、このCLマークのある絵の具を長時間皮膚に付着していると、皮膚から吸収してしまう恐れがあります。
ただし、絵の具がしっかり固まってしまえば殆ど皮膚吸収はないと思いますよ。
大体、何日も絵の具を付けたままにしないですよね。
絵の具が付着したら直ぐに洗えば大丈夫です。
絵の具に毒性に付いての表示をしているものを使うのが一番安心できますよね。
表示がないものはやっぱり不安ですよ。
ちなみに日本独自の表示は無いため、日本でもこのAPマークを使っています。
絵の具のチューブに表示が無いものはホームページでSDS(安全性データーシート)というものが掲示されている場合がありますので、確認してみてください。
もしもの時の処置
目に入ったら
直ちに水道水などで15分以上洗ってください。
次にコンタクトレンズを着用している場合は外して洗ってください。
目蓋の裏まで洗ってください。
様子をみて調子が悪いようでしたら医師の診断を受けてください。
飲み込んでしまったら
誤って飲み込んだ場合には、直ちに医師の診断を受けましょう。
水を飲んでも大丈夫ですが、牛乳は飲ませてはいけません。
医師の指示による以外は無理に吐かせないようにしてください。
廃棄の方法
通常は、一般家庭ゴミと一緒に廃棄できます。不安な場合は自治体の清掃局に確認してください。
付着したアクリル絵の具の落とし方
絵の具がまだ乾いていない場合
- 絵の具がついた部分をすぐに水で洗い流します。
- 残った部分を湿らせた布やスポンジで優しく拭き上げます。
- 必要に応じて、中性洗剤を少量使ってください。
絵の道具が乾いてしまった場合
アクリル絵の具が乾燥すると耐水性があり、単純に洗うだけでは落ちにくいです。
衣類の場合
- 絵の具が付いた部分を消毒用アルコールで湿らせます。
- 柔らかいブラシや布を使って、絵の具をこすります。
- アルコールで落ちにくい場合は、アセトン入りの除光液を試してください。
- 落ちたら、通常の洗濯を行います。
なかなか落ちないのよね~
絵を描くときは服装に注意ですね!
肌の場合
- ベビーオイルやクレンジングオイルを塗り、絵の具を添えた部分を優しくマッサージします。
- 残りの部分を石けんと水で洗います。
表面が硬い(家具や床)
- 消毒用アルコールを絵の具に付けた部分に塗ります。
- それをマジックスポンジや柔らかい生地でこすります。
- 強くこびり付いている場合は、プラスチック製のヘラで慎重に削ります。
筆や道具の場合
- 絵の道具が乾く前なら水や中性洗剤で洗います。
- 乾いてしまった場合は、専用のブラシクリーナーや消毒用アルコールを使って絵の具を柔らかくし、布で拭きます。
注意点
- 衣類や家具に使用する場合、アルコールや除光液が素材を傷める可能性があるため、必ず目立たない部分でテストしてください。
- 強くこすり過ぎると生地や表面を守る恐れがあるので、慎重に行いましょう
- 乾いた後のアクリル絵の具は完全に落とすのが難しい場合があります。そのため、早めの対応が重要です。
まとめ
絵の具の成分は顔料が使われていることがわかりましたね。
顔料は多くが天然の鉱物や金属などを原料としています。
問題となっているのは大体単一の金属で、
カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、シアン(Cn)、鉛(Pb)などですね。
これらをマークし意識しておけば、普通に使用していて問題ありませんよ。
そうすれば安全に使えますよ。
心配ご無用!!
ここまでご覧いただきありがとうございました。
こんにちは。画家の佐藤 静です。