描き終わった作品の保管方法を知っておくのは大切なことですね。
苦労して描いた作品の取り扱いがゾンザイで後になってしっぱしたと思っても、後の祭りとならないように。
いざ取り出してみたらこんなことになっているとは・・・・なんてことにはならないように!
ということにならないようにその保管方法を解説していきますね。
Contents
絵はどうやって保管しておくの?
保管方法によっては傷んでしまうことがありますので、そんな大切な絵を守るための注意すべきポイントをいくつかお知らせします。
皆さんは、作品をどのように保管してますか?
表面の癒着に注意
絵と絵の表面を合わせて保管してはいけない。
これをやると絵の具のアクリル樹脂同士が癒着してしまうのです。
シッカリくっついてしまうので、は力づくで剝がしたりすればもう結果は悲惨な状態となるでしょう。
また、額の表に入れるガラス板の代わりに最近では割れない、軽いといった特性を持つアクリル板を使うことが多くなっています。
このアクリル板も気を付けておかないと、絵の表面が接触していると次第に癒着してきますのでこれも注意してください。
これって、結構あるみたいで絵の側面どうしでもくっ付くのよね!!
額装されているのであれば額が入っていた箱に入れて保管しておくのが安心です。
額装されていないキャンバスなどの状態でしたら、保管用の箱に入れるか、
紙に包んで保管します。
紙の表面の処理によっては絵とくっ付いてしまう可能性があります。
そんな心配がいらないこんな商品もあります。
こちらは私が購入したものなんですが、『クッツカーネ2』です。
この説明に書いてるように”絵画のくっ付きから大切な作品をまもります。”とありますね。
この紙はシールなどの裏紙と同じように表面がツルツルしていて、くっ付けようとしてもくっ付かないような紙です。
絵の保管だけでなく、輸送の際も使えるよ!
直射日光を避ける
保管場所に直射日光が当たるのは避けるべきです。
光の成分の紫外線が劣化をさせる原因です。
できたら、絵の保管場所から見たときに、窓の空が見えたりする場所も避けた方が無難です。
実は、青空には太陽光の光散乱があり数%の紫外線が届いています。
アクリル絵の具は外壁に描く様に開発されたとても対候性のある絵の具ですが、やはり太陽の光の直接の影響は避けるべきです。
また、その紫外線の影響を少なくするためのものもあるので、ご紹介します。
額での保管は前のガラスやアクリル板にUVカットのあるものを使う。
また、絵を描き終わったときにUVバーニッシュを塗って紫外線の影響を抑えながら表面の保護をすることです。
また、紫外線などの影響は周囲の温度や湿度が高かったりすると強くなるのです。
家具なんかも、紫外線で焼けるよね~~
重ねて保管は?
保護する紙などに入れても横に何枚も重ねてはいけません。
重みで変形してしまう恐れがあります。
横にして重ねる場合は潰れないような箱に入れて、あまり沢山は重ねないように。
箱に入れない場合は、絵画保管用の棚に保管した方がよいでしょう。
棚一段に作品は一枚ずつ保管するような棚で、作品は重ならないので傷みません。
絵画乾燥用ラックなどとして販売もされた商品があります。
一枚一枚は軽くても、一番下には結構重みってかかっているんですよ。
縦にして保管は?
横にして重ねるよりは、立てて縦にして保管がよいと思います。
だいたい、こんな感じで保管。
絵に直接の負担がかからずに保管できます。
紙で包んだ絵にはタグのようなものを付けて、何の絵かがわかるようにしておくといいですね。
湿気は大敵
定期的な換気を!
光が当たらない場所といっても、押し入れなどの空気が淀んで、湿度が高い場所にずっと放置してはいけません。
時々、風を通してあげると良いですよ。
キャンバスは木材や布で出来ていますし、紙などもカビが生える恐れがありますよ。
初めからある程度風通しがよい場所の方がいいでしょう。
カビは生えてしまうと、
修復が大変だー
温度変化の多い場所は?
冷暖房を付けるような場所では注意が必要です。
冷暖房機の吹き出し口の近くは温度の上がり下がりが大きく、絵にダメージを与えてしまう恐れがあります。
温度の上昇とともにキャンバスの木材が膨張し、下降と共に収縮したりします。
膨張や収縮などを繰り返すのは大切な絵にとって良いことはありません。
アクリル絵の具は乾燥し固まれば支持体との接着がしっかりして、柔軟性もあるので他の絵の具よりもずっと頑丈ですが、その支持体の方に問題が出てくる可能性があります。
出来るだけ冷暖房の吹き出し口の近くは避けた方が無難です。
絵は飾って保管が一番
絵画のコレクションがたくさんあって一度には飾れないかたも多いと思いますが、
やはり、絵画は飾って保管が一番良いのではないかと思います。
日光の影響があまりない場所に飾っておくのが一番絵のためによいと思います。
絵の保管環境にも良いですが、絵は人に見てもらってナンボですから、
絵もその方が喜んでいると思います。
まとめ
ジークレーなどのように同じ絵が複数枚ある場合を除いて原画は一点ものですので、それが損傷してしまったら、自分の心まで痛みますよね。
今回ご紹介した注意点を思い返してみて、思い当たることがあれば保管方法を見直してくださいね。
絵は大切な財産にもなりますのですよ!
ここまでご覧いただきありがとうございました。
こんにちは。
画家の佐藤 静です。