皆さんはアクリル画をどんなものに描いていますか。
私は殆ど市販のキャンバスに絵を描いています。
今はキャンバスを自作する時間もないので、既製品を購入しています。
まず、絵を描く際にまず支持体を選びますよね。
皆さんが選択する際に少しでもお手伝いができればいいなと思い紹介していきます。
Contents
支持体(アクリル絵の具を乗せていくもの)について
支持体には大体このようなものがあるので、紹介していきたいと思います。
紙
最も手軽に入手できるので、まず試しに描いてみたいなと思った方にお勧めできる支持体です。
ただし、普通の画用紙は表面の凹凸が大きく、水が吸収し易いのでお勧めできません。
紙でお勧めできるのがケント紙です。
ケント紙は表面が滑らかで、擦れに強く滲みににくくて白い紙です。
お勧めするケント紙は、 SAKAEテクニカルペーパー「シルバーヒルケントブック」、ミューズ「KMKケントブロック」、オリオン「バロンケントブック#200」、ホルベイン「ケントパッド(極厚口)」などがあります。
次に、水彩紙ではオリオン「オリオンアクリルデネブ ブック」です。これはアクリル絵の具に適した中性紙になります。白さが強く、表面の水の吸収を抑えにじみ、ぼかしなども行える紙です。裏表で細目、中目で使い分けられるのが特徴です。
紹介した紙は何れもしっかりした紙ですが、紙はやはり水を吸うと伸びるので、ブロックになっているタイプを使うか、できるだけ水張りして使うことをお勧めします。
高級な白い紙は化学処理が行われていてセルロースの接着成分のリグニンが取り除かれているため、経年による色の変色が無く、劣化が少ないです。
しかし、紙という性質上温湿度の影響を受ける可能性がありますので、高温高湿度の保存条件ではカビが生える恐れがありますので、注意が必要です。
木製パネル
市販の木製パネルには、ラワンベニヤ製とシナベニヤ製があります。
シナベニヤはラワンベニヤより少し価格が高めですが、表面が滑らかで、色も白く表面から染み出てくるヤニやアクも少ないので、ラワンベニヤよりお勧めです。
シナベニヤにアクリル絵の具で絵を描く際は、直接描くのではなくジェッソなどで下地処理をした方が無難です。
絵が完成してからアクが出てきて絵が変色しないとも限りません。
MDF
MDFは(Medium Density Fiberboard)中質繊維板は、質的には紙と木材の中間的なものですから、普通にジェッソで下地を作れば、 そのまま絵を描き始められます。
このMDFは木を蒸煮(じょうしゃ)、解繊(かいせん)して木質繊維に分解し、合成樹脂を加えて、平らにしたものを高温高圧をかけることによりパネルにしたものです。
MDFは、木材を繊維レベルまで細かくしてから加工するため、木材が持つ「割れ」や「節」などがありません。
そのため、製品の品質が均一という性質があり、温度差による寸法の変化が少ないため反りが発生しにくく、寸法安定性に優れている点が特徴です。
MDFの厚さ方向の密度は、表裏層が高く、中心層は低いので、面方向に釘やビスを打っても問題ありませんが、断面に打つと割れる恐れがあるため工夫が必要です。
そのため、製品の安全性と耐久性が向上し、仕上がりの美しさを維持できるなどのメリットが得られます。
ただし、木材が原料ですので高温高湿度で保管は、カビの発生に注意が必要です。
MDFはホームセンターでも購入できます。
ヤニやアクが心配なら、ヤニ止めシーラー(プライマー)を下に塗っておくと良いです。
キャンバス
キャンバスに付いては別に「キャンバスについて分かりやすく説明!キャンバスを選ぶ際に知っておくとよい材質について!」で説明していますので、詳しいことを知りたい方はそちらを参照してください。
油絵やアクリル絵画を描く代表的な支持体になります。
キャンバスは木枠に下地の処理をした布(主に麻)を張ったものです。
この木枠に麻布を張ったキャンバス「張りキャンバス」に付いてお話しますね。
15世紀ごろのイタリアのヴェネツィアでこのキャンバスが使われ始めたそうです。
それまでは板に絵が描かれていましたが、温湿度の影響を受けてしまう板に代わって、影響を受けにくいキャンバスが作られていったというわけです。
その上板に比べ軽く、木枠から外せばコンパクトにして運ぶことができますよね。
支持体としては歴史的に最も丈夫さを証明されている支持体になるでしょう。
キャンバスの種類
キャンバスの画布を留めているのは釘とガンタッカーによる針があります。
横に釘を打ってあるのが最も一般的なキャンバスですね。
私が世界堂で購入しているキャンバスはこのタイプです。
このようにキャンバスの裏で、ホッチキスの針のようなもので留めてあるのもあります。
キャンバスの横(側面)まで描ける
キャンバスの横の釘が気になるとか、横まで絵を描きたい方はこちらを使ってみるのも良いですね。
ここでお勧めのキャンバスがあります。
それがフローティングキャンバス(3Dキャンバス・包み張りキャンバス)になります。
裏面にガンタッカーの針で留めてあり、横の側面には釘は無く、側面の幅が広くなっています。
私の知る限り幅は36mm~63mmほどのものが売られていました。
画布は綿100%だったり、綿と化繊の混紡です。
額なしで飾たり、箱額のような側面を見せる飾り方が良いと思います。
形もいろいろ
こんなキャンバスもあります。
それが変形張りキャンバスです。
とてもいろんな形があり、描き方も人それぞれ!!
ヴィックアート 丸型張りキャンバス
ヴィックアート ハート型張りキャンバス
ヴィックアート 六角型張りキャンバス
ヴィックアート 三角型張りキャンバス
ヴィックアート楕円型 張りキャンバス
変形張りキャンバス用の額は無いと思いますので、そのまま飾ります。
こんなキャンバスがあったんだね!
まとめ
現在は支持体もいろいろな種類が選べますし、キャンバスの中でも選択肢が多いですよね。
ほんとに、自分の好みで自分の感じたものを表現できる素材がどんどん生み出されています。
皆さんも画材店に行って見て回るだけでも、楽しいですよ!
アクリル絵の具は今回紹介した支持体以外でも、殆どのものに描くことができます。
金属類、植木鉢、プラスティック類などにもプライマーを下塗りすれば描けてしまいます。
自分だけのTシャツなんかも作れちゃいます。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
こんにちは。
画家の佐藤 静です。