目に見えるものはすべて光と陰影で出来ています。
立体的に見えるのはその光と陰影のおかげですね。
ここらへんを理解してワンランクアップの絵を描いていきましょう。
私と一緒に光の基本を私と勉強していきましょう。
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光
まずは光を意識しましょう。
室内では照明や外部からの光など複雑なので、室内でモチーフを置いて絵を描く際は、できるだけ単一の光源に近くなるように設定してください。
屋外では太陽光が光源になります。
晴れていて、順光の光を受けている場合は、比較的光を受けている部分とそのかげは理解しやすいですね。
光を強く受けている部分と、暗い部分とその中間の彩度が高い部分がわかるとよいと思います。
陰影(いんえい)
ここで見てほしいのは、白い球体に当たる斜め上からの光とそれにできるかげです。
かげとひらがなで書いたのはかげには二種類があるからです。
そのかげとは光が当たる方向とは反対側に陰影(いんえい)という二種類のかげができます。
上の写真のように、白い球体に光が当たった反対側の暗い分が陰(いん)というかげで、床の暗くなった部分が影(えい)というかげです。
この陰影を意識するだけで、物の立体感が表現できます。
稜線(りょうせん)
稜線とは物体の明るい部分と暗い部分の境界線のことをいいます。
上の図の白い球体の稜線は球体の半分を輪切りにするように、球体の半分ほどのところにできます。
地球でいうと、昼と夜の境目にあたる朝と夕方が稜線部分になります。
また、山でいうと、山と山が連なる高く連なる部分が稜線になります。
陰を描く際に、稜線はどのあたりに来ているのか、どこまでが陰でどこからが明るくなっているかを意識しましょう。
一段、絵の質が上がります。
反射光の考え方
光は斜め上からだけ当てています。
しかし、白い球体には陰の部分に明るく見えるところがあります。
これは周りから光が反射して、球体に当たっているために明るくなっています。
これを反射光といいます。
下の青い線で囲んだ明るい部分は、下に敷いた白い紙からの反射になります。
また、上の青い線で囲んだ明るい部分は、奥の白い紙からの反射を受けています。
反射光の色のイメージ
それでは、白い球体を赤い敷物の上に置いて、斜め上から光を当てた場合を見てみましょう。
先ほど紹介したように、この白い球体には光が当たり明るい部分、稜線を境に暗い陰の部分、床面の影の部分ができています。
ここで見てほしいのは、反射光の部分です。
敷物から受けた球体にできる反射光の部分がほんのり赤っぽいのがわかりますか。
赤い色の反射光を受けているのです。
物の色の仕組み
床面が赤いのは、光源に含まれる光の成分のうち、赤い光を吸収できずに反射しているためです。
赤いものは赤い色を吸収できずに反射しているために赤く見えるのです。
この白い球体も赤い色を吸収できずに反射しているため、ほんのり赤く見えていますね。
このように私たちが見ている物体の色は、周りの色に影響を受けています。
白く見えるものは、白い光のほとんどの色成分を反射しているために眩しい白に見え、黒く見えるものは、光の色成分の殆どを吸収しているため色味のない黒に見えるのです。
※皆さんも白いボールを白い紙に置いて単一の斜めからの光を当てれば再現できますので、ぜひ目の前 で観察してみましょう。
光と陰影をどう処理する?
環境光はむずかしい
環境光とは物体が受ける主光源以外から受ける光の影響と考えてよいと思います。
ですから、反射光も環境光の一部と考えています。
今回紹介した白い球体では単一の光のみで物体を照らしていますが、特に室内においては窓から入る外の光や、照明の光、テレビからの光など、とても複雑です。
外に出てみれば太陽光が主光源になりますが、周りの物から受ける反射光、遠くになればなるほど、空気の乱反射により、空の青い光の影響を受けて青っぽく見えます。
遠くの山が青っぽく見えるのは、環境光の影響が大きいのです。
曇りの日や水面の反射
また、曇りや雨の日の光は難しいです。
主光源の太陽の光が大変弱く、空全体の雲に光が乱反射しているので、どのように光の方向を設定するのかが難しくなります。
モチーフに光が全体的に当たり、陰影が出にくくなります。
見える実際通りに描かずに、自分で光が当たる部分と陰影を設定してしても良いです。
そして、水面の上の部分も水面からの反射があったりして難しいですね。
モチーフをよく見て、自分でどのように光とかげを付けるか設定する必要があります。
光を意識した画家
光を意識した画家フェルメールの絵画をご覧ください。
光と陰影を意識した画家ヨハネス・フェルメールは窓から太陽の光が差す女性を多く描いています。
左側からの光を受けて明るい部分と反対側にできる陰影が素晴らしいです。
もう一つどうぞ!!
これだけ光と陰影を意識して描くと、とても素敵な絵になります。
まとめ
今までよりもう少しだけ、光と陰影を意識するとフェルメールのような絵を描けるかもしれません。
人の目が二つあるので左右の差によって立体的(三次元)に見えていますが、それを絵画の二次元にしたときにも立体感を持たせてくれるのが光と陰影なのです。
世の中はすべてこの光と陰影で出来ていて、人は自然と立体感を感じるようになっています。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
はじめまして。
画家の佐藤 静です。