絵の構図が思いつかない方に・かっこいい構図の決め方を紹介!!

こんにちは。
画家の佐藤 静です。

アクリル絵の具で描いた作品

なかなかいい構図が思いつかないという悩みをよく聞きますが、構図が存在しない絵画は、見る人に自分の気持ちが伝わらないと言います。

今回紹介する構図を知っていれば殆どの絵画に応用が利きますので、最後まで是非ご覧ください。

構図の基本は別のページで三分割構図と黄金比構図を詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。

今回は構図を決めるときにどんな構図があるのかをご紹介していきますね!

自分の描きたい絵がどの構図に合うのか、構図を知って選んでいけば素敵な絵が出来上がるでしょう。

構図と言ってもいろんなものが存在しますので、どれを選ぶかは自由です。
今回の作品はこんな構図で描いてみようと発想できるヒントになれば幸いです。

構図が思いつかない方へ!直線や曲線を意識した構図!

ここでは、直線や曲線を意識して構図を構築していくときに良いヒントになると思いますので是非ご覧ください。

最も基本的な構図で、静かで伸び伸びとした印象を与えます。

広々とした構図になるので横長の支持体に描くことでその効果が得られます。

緊張感はないので、見る人をゆったりした気持ちにさせてくれます。

この絵では地平線で自然の雄大さを描く構図になります。

整然とした印象を与え、画面にリズム感が出てきます。

垂直線だけだと緊張感がありますので、線を曲げたり、木の枝や葉を描くことで和げることができます。

向いている支持体は、横長のものばかりでなく、縦長のものも適しています。

構成上の基本になります。

縦と横のラインが存在し、緊張感と落ち着きとのバランスの取れた構図ができます。

整然とした印象を与えます。

画面に強い動きを作り出します。

斜線の長さや傾きによって、その動きの強さが違ってきます。

たくさんの斜線を使うとその導線とバランスが難しくなります。

この例では、斜線と水平線がバランスを取っていて、安定感があります。

柔らかで、穏やかな印象を与えます。

暖かい優しさを感じますが、曲線を強調すると激しい感情が出てきます。

直線の硬さと対照的ですが、バランス感覚が必要となります。

この例では通常テーブルクロスなどの直線ですが、毛布を丸めたところに、カップを置いてあり、
優しさもありながら、動きがあって不安定な感じを与えています。

最も安定した構図ですが、生き生きとした印象がなくなり、ありきたりな構図になりやすい。

その他に、動きのあるものを一緒に描くと良いです。

また、三角の形のものを描くのではなく、三角形の構図の位置に別のものを描くと動きが生まれます。

これも安定感があります。

三角形構図より生き生きした感じになります。

逆三角形も安定感はありますが、三角形より動きがあって創造性を膨らませてくれます。

安定感があり、力強い動きがでます。

広がりのあるイメージを作ることができます。

安定感があり、軽快で広がりを感じます。

中心線は垂直線になります。

三角形ではなく逆三角形や菱形で少し不安定にして、動きを生み出すと面白い。

四角いキャンバスには目に見えない対角線が存在します。

斜線のなかで、最も落ち着きのある構図です。

対角線にモチーフを置くことで、安定感がでます。

支持体が横長の斜線と縦長の場合の斜線では傾きが違うので、イメージが違ってきます。

中心点があり、放射状に広がりのある構図です。

陽気で元気がでるような構図で、中心点には求心力があり、視線が集まります。

中心点が絵の端にくるような構図もあります。

この例は、竹林を下から見上げた構図です。

放射線構図の一つになります。

透視図法に用いられる構図で、中心点に目線が向かうので、
中心点には魅力的なものを配置するなどするとよいです。

V字構図にも当てはまります。

遠く霞んでいますが、この突き当りには何があるんだろうと興味をそそられる構図ですね。

斜線の傾きを交互に変えていきジグザグに見える構図で、遠景から近景へつながりを持たせることができます。

遠近感が付きやすく、視線を誘導してくれます。

遠景から近景へ、近景から遠景へリズミカルに視線を誘導してくれます。

心を和ませる伸び伸びとした空間を表現するのに向いています。

そのカーブで遠近感を表現することが出きます。

柔らかく、のどかで緊張感がないので、直線を加えてリズムを出すとよいでしょう。

構図が思いつかない方へ!空間や陰影を意識した構図!

直線や曲線で構図を決める方法とは別にモチーフを見る視点を工夫した構図になります。

高い位置から見下ろす鳥瞰図になります。

見えている範囲を手前から奥まで描くことができるので、いろんな場面を一つの画面で説明的に表現できます。

ものの合間や、隙間から覗き見るような構図になります。

木の間、山の間、窓とその外の景色など手前のモチーフと奥のモチーフの関係を不思議な魅力で引き出してくれます。

縁取り構図や額縁構図もこのジャンルになります。

人は、隙間があると覗き見たくものです。

安心感がある場所で、安らぎを与えてくれる静止した印象を与えます。

小さい広場、袋小路、または部屋の中など区分けされた場所は、仲間と安心して過ごせる安心して過ごせる場所。

落ち着いた雰囲気を与え、気の休まる場所となりますが、
息苦しくならないように注意が必要です。

光を描くことで、光の力強さや温かみを表現します。

太陽の光、月の光または照明や炎の光などが考えられます。

光には力があり、物を照らしてくれますが、その反面陰影を作り出します。

光の力を使った明暗法も利用しましょう。

この例では日没近くの太陽が、街をシルエットとして浮き上がらせています。

敢えて余白を描いてそこに何かを感じられるようにします。

落ち着きを与えますが、余白から感じるものが必要になります。

小さいサイズの絵ではそこまで必要になりませんが、大きくなればなるほど余白の表現が難しくなります。

余白をどのように描くかによって絵のイメージがガラッと変わることがあります。

この例では、後ろの白い壁の白い枠とその前にある花瓶が前にいる二人を引き立てます。

絵をかっこよく見せる直線構図の複合形・長方形構図

ここでは、以前に説明した三分割法や黄金比などの直線構図に通じる長方形構図を解説します。

この長方形構図は、長方形の中に複数の直線を引いて、その線を使って構図を決める方法です。

長方形の中に三分割線や四分割線、対角線などを引いてこの線にモチーフを持ってきて構図を決める方法です。

この構図線を作っていきます。

図1

長方形に対角線を引きます。

図2

                 下の辺の中点から上の角に向かって線を引きます。                                                                                        

図3

左右の辺の中心点から下の角に向かって線を引きます。

図4

図2と図3の上下を反転させた線を引きます。

図5

各辺の中心点を結びます。

図6

各線の交点を結ぶ垂直線と水平線を引きます。
この線が三分割線と四分割線になります。

有名な絵画2点をこの長方形構図線がどのように当てはまるのかを見ていきたいと思います。

それでは、ご覧ください。

カラバッジョ「聖マタイの召命」

キリストがマタイを呼びに来た場面を描いています。

カラバッジョ「聖マタイの召命」

赤い袖がキリストで、一番左がマタイですね。

この絵を分割していきます。

横の線は上から順に三分割線、中央線、四分割線です。

右側の二人の頭は三分割線上にあり、左の三人は中央線上に、中央やや右の人は左上からの対角線上にあります。

テーブルは四分割線のところにあり、上の窓の扉は中央線に沿っています。

人の配置と光の向きは右上からの対角線に沿った構図となっています。

ボティチェリ「ビーナスの誕生」

この絵は泡から誕生したビーナスが貝の上に乗って、西風ゼフュロスに岸へ吹き寄せられています

岸で待つ季節を司る女神のホーラがビーナスを花柄のマントで迎えようとしています。

ゼフュロスと一緒にいるのは妻のクロリスです。

ビーナスの髪の毛は暖かい西風になびいています。

この絵を分割していきましょう。

ボティチェリ「ビーナスの誕生」

この作品は構図を特に意識して描かれています。

上辺中央から伸びる左右の辺中央の線と、左右の角に向かう線の間にゼフュロスやホーラを配置。

ビーナスは中央線に沿って立ち、
その足元の貝は対角線と、左右の中央から下辺中央に伸びる線の中に配置されています。

まとめ

どうでしたか今回の構図の解説!

構図にはたくさんの種類がありますので、次に描く絵の構図はここから選べばどれかに当てはめることが出来そうじゃないですか。

是非参考にしていただいて、素敵な絵を描いてください。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です