アクリルで描く鳥・春に婚姻色になったアオサギ

こんにちは。
画家の佐藤 静です。

今回出会ったアオサギは、私の家の近くの小さな川です。

桜の咲く時期に川縁では沢山の菜の花が咲いていました。

その菜の花の直ぐ傍らにアオサギがいて魚を探してジッと佇んでいました。
時々嘴で羽のお手入れをしている姿が面白く絵にしてみました。

アオサギってどんな鳥

嘴から尾の先までが約1m近くある大型のサギの仲間で、色は背中のグレーが青っぽく見えることからアオサギという名前が付いています。
英語名は(grey heron)グレーのサギですが。

頭部や首が白ですが、目の上から頭頂部に掛けて黒く、頭頂部に飾り羽があります。

それから背中に白い飾り羽が生えています。

春になると目先が青っぽくなり、嘴や脚の赤味が強くなる婚姻色を示す繁殖期になります。

アフリカからヨーロッパ、アジアに広く分布していますが、アメリカ大陸にはいません。

営巣は他のサギ類ともに一緒の木の上に集合住宅を作ります。

繁殖する場所はフンの匂いや大量のフンの汚れで嫌われることがあります。

鳴き声はギャーギャーといった声であまり可愛い声ではないです。

渡りの時期に通過していくときに、夜間でもこの声が聞こえることがあります。

池や川などで魚や両生類などを採餌していますが、時には小さめの鳥を食べることもあります。

下絵を描く

今回はB4のシナベニヤパネルに描きました。

まず、鉛筆で下絵を描きます。

中央に羽繕いをするアオサギを配置し、左に菜の花の塊を、右には倒れた葦をざっくり鉛筆で描きます。

下塗り

後ろ側の水の下塗りになります。

黒っぽいオリーブ色を作り、陰になった水面の色を横のストロークで塗ります。

乾かないうちにスポンジで叩いて筆跡を目立たなくします。

先に鉛筆で描いたものが見えている間に色をつけておきます。

アオサギの羽の下色として白でシルエットを作ります。

菜の花は葉っぱや茎の色の陰色を、葦も陰色を塗ります。

菜の花の葉や茎の陰色としてパーマネントグリーンディープにフタロブルーと黒を混ぜた色で、縦のストロークで塗ります。

葦はバーントシェンナに黒を混ぜた色を作り、倒れた葦の方向のストロークで塗っておきます。

水面を描く

下塗りした暗いオリーブ色を水の陰色としていますが、ここでは空を反射した色を付けます。

白にフタロブルーを僅かに混ぜた色で空の反射を作ります。

手前部分は幅を広く描き、奥は細く描いていきます。

時々白を多くした部分も作ります。

アオサギの下塗り2

もう一度、アオサギの基本色を塗ります。

ここでも白にフタロブルーを混ぜた、少し青い白を全体に塗っておきます。

重なる下にある陰の葦を描く

表に出ていない、奥に少し見えている葦を描いておきます。

葦の下塗りに使った色に少し白を加えた色を使い、倒れた葦を描いていきます。

また、同時に右に立っている葦の暗い部分を描いておきましょう。

アオサギを描く

ここから本格的にアオサギを描いていきます。

まず、陰色を塗りましょう。

薄いグレーに僅かにフタロブルーを混ぜた色を作り陰色を付けていきます。

べた塗しないで羽の流れに沿って塗ります。

首の部分は下へ向かって羽が生えているのを意識して描きます。

背中の部分は背中の羽毛、雨覆いを意識してシッカリと描きます。

先ほどより濃い色を使って描きます。

白っぽいブルーグレーを作り、背中の羽を描きます。

もちろん、羽の形を意識して描いてね。

更に濃いフルーグレーで塗っていきます。

背中の部分に見えている羽の形をシッカリ意識して描きます。

色の濃い部分と薄い部分も描き分けてください。

首から上のところも陰色としてこの色を塗っていきます。

アオサギの陰になる部分と光って見える部分を描き分けます。

背中の一番陰になる部分には更に暗いブルーグレーを塗り、凹凸を付けていきます。

そして、明るく光って見える部分には白を置いていきましょう。
背中の方の明るい部分、首や頭の明るい部分に白を入れてください。

アオサギは嘴を少し開いて羽を整えています。

嘴の基本色は肌色より少しオレンジ掛かった色です。

嘴の色をよく確認し、先ほどの色に赤を加えたオレンジで嘴の開いた部分を描きます。

そして、目先の部分を青いグレーにします。

頭部の黒い部分と、肩にある黒い羽を描きます。

頭部は目の上から頭頂部に掛けての黒いラインを描きます。頭頂部から2本の飾り羽が出ていますので、それを描きます。

肩の部分と脇からはみ出す黒い羽もあります。

首から出ている白い羽と背中の白い羽が飾り羽です。

首から外側へ広がっている羽は光が当たっている羽なので、生の白で描きます。

背中の飾り羽は陰部分になるので、少しだけブルーグレーを加えた白を作った色で羽を描きます。

葦を描く

陰になる葦を描いた際の絵の具に少し白を加えた色で描きます。

倒れている葦にさらに重ねるように描きます。

葦が積み重なっている感じにします。

今度は光があたり明るくなっている葦を描きます。

立ち上がっている葦には光が当たって明るくなっています。

倒れている葦よりオレンジと白が強い絵の具で描きます。

倒れている葦にも明るい部分があります。

積み重なっている葦の一番上になります。

そのところも描きます。

更に、光って見える部分にはかなり白い色を作って所々に置いていきます。

菜の花を描く

左側にある見えている菜の花の奥にも菜の花が咲いているので、その部分の色を乗せます。

黄色に少しオレンジを混ぜた濃い黄色をたたき筆の先端に絵の具を付けてポンポンと置いていきます。

今描いた菜の花の下色のところに茎部分と葉をざっくり描きます。

パーマネントグリーンディープにフタロブルーとイエローオーカーを混ぜた色で描きます。

下の方は花が少なく葉が見えてる部分なので、葉の形を意識して描きます。

更に一番奥ではなく、少し手前にある菜の花の色を付けます。

先ほどの下色に使った絵の具より明るい色で菜の花の形を意識して、塊として描きます。

菜の花の茎全体を描きます。

花の塊部分とそこから上へ伸びている茎を描きます。

茎から外側に出ている種の房を葉を描きます。

種の房は少し上を向く様に飛び出しているように見えます。

これを描くと更に菜の花らしさが出ます。

細い筆で、菜の花を描きます。

茎の先端に咲く黄色い花を描いていきます。

花弁はとても小さいので、細かく描かず雰囲気を作ります。

その下の花の塊部分にある菜の花も描きます。

右側の葦の手前部分にある菜の花も描きます。

あとは細かい部分の微調整をして終わります。

こんな感じで完成とします。

まとめ

身近に居るサギの仲間はシラサギの仲間のコサギ、チュウサギ、ダイサギなどが多いですが、唯一グレーのサギがこのアオサギです。

春に嘴や脚が赤くなるのも魅力の一つで、描きたくなる鳥です。

今回とても楽しく描けました。

下に動画もありますので、参考までにご覧ください。

動画にBGMが流れます。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

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