今回描くのはオオコノハズク?
沖縄県の宮古島で出会った、リュウキュウオオコノハズクです。
琉球松に留まっているところを描きます。

Contents
リュウキュウオオコノハズクとはどんな鳥
リュウキュウオオコノハズクは全長24cmほどでリュウキュウコノハズクよりやや大型です。
虹彩色は橙色をしています。
日本各地に留鳥または夏鳥として分布するオオコノハズクの亜種で、脚の指に羽毛が無いのが特徴になります。
夜行性で日中は樹洞に居ることが多いですが、昼間でも出会えることがあります。
下絵作り
鉛筆と墨で下書き
さあ、早速キャンバスに描いていきましょう。
今回のキャンバスはF3号です。
まずは鉛筆で下書きです。

写真を見ながら描いていきますが、鳥の部分は正確に描き、それ以外の木や葉の部分は正確さはあまり考えずに、雰囲気を重視して描きましょう。
墨入れをしておきます。

鉛筆で描いた線に沿って黒で墨入れします。
先ほどと同様に、鳥の部分は正確に、それ以外は大体といった感覚で黒で縁取りしていきます。
ここでは、葉は描きません。
これで、下絵作りは終了です。
下塗り
まず、背景の色を薄塗していきます。

背景の色がややくすんだ黄緑色なので、黄緑色にグレーを少し混ぜた色にジェルメディウムを混ぜた透明な絵の具を全体に塗っていきます。
絵作り
背景とモチーフを描いていきましょう。
モチーフがどのような状況になっているか、イメージしておきます。
背景作り
背景の色を乗せていきます。

今回の背景は左下側に切り株や低木の陰があるイメージで暗くして、右上に向かって空の明るさを感じるような白っぽい色にしました。
背景の色は均一だとつまらないので、色の濃い部分や薄い部分などを、あとから描いていく松の枝や葉もイメージして作っていきます。
納得いくまで何度も色を重ねていきましょう。
奥の松の葉を描く
これも背景の部分になりますが、少し奥にある松の葉を描いていきます。

手前に来る松の葉はシッカリ濃く描きますが、奥の葉は少し彩度を落として描きます。
松の木を描く
まず、松の木の下塗りです。

色はグレーに僅かに茶を混ぜた色を全体にべた塗しておきます。
松の細い枝を描く
琉球松は幹の色に少し赤味がありますので、茶色により赤味を多くして描きます。

まず、細い枝に初めに塗ったグレーより少し濃く陰色より少し薄い色を作り、光の当たる部分と陰の中間部分に塗っておきます。
次に、陰色の濃い茶色を枝の下側に塗ります。
その際、枝の下の縁を真っ直ぐにしないで、少しデコボコさせて松の枝らしくしていきます。
先に塗った中間の色の部分もこの色でデコボコした感じにします。
ここで、初めに予定していなかった左下にも松の枝を付け足しておきました。
松の太い枝を描く
細い枝よりももっと松らしい表情をしているのが幹や太い枝です。

まず、濃い茶色で表面のうろこのような断片を枝の全体に筆のタッチで乗せていきます。

今度はやや赤みのあるグレーを今描いた濃い茶色の上にはみ出すようにランダムに乗せていきます。
次にこの色に濃いブルーを混ぜた紫を今塗った部分以外のところに乗せていきます。
明るい部分には白っぽいグレーを塗りましょう。
ここで、最も黒に近い茶色を作り、各断片の間に影を着けるように細い筆で塗ります。
枝全体を見て、松らしくなったらOKです。
鳥の部分を描く
やっと鳥の部分に取り掛かります。
鳥の部分の下塗り
全体にオレンジ色をした個体なので、ベースにその色を塗っていきます。

鳥の下色として、黄土色(イエローオーカー)をジェルメディウムで薄めた透明色を作り、全体に、鳥の形を意識して塗っておきます。
鳥のディテールを付ける
色の濃い部分を塗ります。

焦げ茶色(バーンアンバーに黒を混ぜた色)で色の濃い部分を形を意識してべた塗しておきます。

イエローオーカーに白を混ぜた明るい茶色で全体の立体感をすように塗っていきます。
まだ、ここでは完全な立体感はでていません。

この個体は少しオレンジっぽい色をしていたので、イエローオーカーに少しオレンジを加えた色を全体に塗ります。
この時もべた塗せずに羽を意識して色を乗せていきましょう。
翼の部分もこげ茶色一色とならないように、重なり具合を意識して描きます。
次に、鳥の白い羽の部分に少し白にタフロブルーをわずかに加えた色を塗っておきます。

顔や腹の模様も描いていきます。
まるで、この鳥は木の幹のような模様で、その模様も個体毎に違うので、大変難しいですが頑張りましょう。
松の葉を描く
ここで一度鳥から離れ、手前の松の葉を描いておきます。

面相筆(小)の先端を上手く使い、細い松の葉を描きます。
濃い緑の葉を多く描き、白を多く混ぜた緑の葉を加えて、更に少しイエローオーカーを加えた色の葉も少し足して行きましょう。
オオコノハズクの仕上げ
もう一度鳥に戻り目と脚の部分を描きます。

最後にオオコノハズクの目の虹彩色のオレンジと光が当たっている部分を描き、目の周りのリングも描きました。
足指も二本見えているので、グレーで描いています。
こんな感じで出来上がりました。
まとめ
なかなか出会えないリュウキュウオオコノハズクを描いてみましたが、如何でしたでしょうか?
私も、数度しか見たことはないのでその時のことを必死に思い出しながらの作業になりましたが、なんとかここまでにすることができました。
実際の写真はオオコノハズクの後ろには枝がありましたが、今回は絵の邪魔になると考えて省略しています。
写真では邪魔なものでもそのまま写り込んでしまいますが、絵は自分の好きなようにできるのが良いところですね。
動画も見ることができますので、音声はありませんが描いている様子を覗いてください。
BGMが流れます。
音が大きいときは調整してね!

ここまでご覧いただきありがとうございました。
こんにちは。
画家の佐藤 静です。