私がアクリル絵の具を使うようになったのは、いろいろ経緯がありますが、
第一の理由はアクリル絵の具の特徴を知ったからにほかなりません。
皆さんも、アクリル絵の具を知っていただき使用してくださいね。
それでは、ご覧ください!
Contents
絵の具の種類
絵の具には日本画に使用する岩絵の具、水彩画に使用する水彩絵の具、油絵に使用する油絵の具、アクリル画に使用するアクリル絵の具などがあります。
日本画の絵の具
日本画に使用する岩絵の具は天然の鉱物を粉状にしたものを絵の具の顔料として、それに動物の皮や骨などから取れる膠(にかわ)を水で溶いたものを混ぜて作ります。
初めから粒状から粉状になっているものやすでに膠に混ぜてあるチューブ入りのものまであります。
初心者はチューブ入りの絵の具を使ってみるのもよいでしょう。
水彩絵の具
水彩画に使用する水彩絵の具は顔料にアラビアゴムやデキストリンといった水溶性の樹脂と水を混ぜたものになります。
乾くのが早いですが、樹脂自体が水溶性のため水に濡れると溶けてしまいます。
ですので、あまり重ね塗りをするのには向きませんが、にじみを生かした描き方ができます。
油絵の具
油絵に使用する油絵の具は顔料に乾性油という油に混ざってできています。
油絵が乾くのは乾性油が酸化して乾性油自体が変化し固化するので、厳密には乾くとは少し違いがあります。
乾燥するにはかなり時間がかかりますが、それを利用した描き方もあります。
アクリル絵の具
アクリル絵画に使用するアクリル絵の具は顔料にアクリル樹脂と水が混ざってできています。
アクリル絵の具は水彩絵の具と同様に水分が蒸発すると乾燥し固まります。
ですから乾くのが早いのが大きな特徴になります。
乾燥が早いということは仕上げまでの時間は短くなりますが、グラデーションなどを作るのが少し難しくなります。
また、水彩絵の具とは違い乾燥すると耐水性になるので上から何層も重ね塗りできる特徴があります。
アクリル絵の具には私が使っているアクリル絵の具と別にアクリルガッシュという絵の具があります。
アクリル絵の具とアクリルガッシュの違いは顔料とアクリル樹脂の比率が違います。
アクリル絵の具に比べアクリルガッシュは顔料が多めでアクリル樹脂が少なくなっています。
アクリル絵の具は透明色、半透明色、不透明色がありますがアクリルガッシュは不透明色のみです。
アクリル絵の具は乾燥すると艶があり、耐水性や耐光性がありますが、アクリルガッシュは乾燥すると艶が無く、耐光性も劣ります。
また、アクリルガッシュはアクリル樹脂が少ない分厚塗りした部分にひび割れが発生する場合があります。
保存性を考慮するなら皆さんはぜひアクリル絵の具を使用してください。
アルキド樹脂絵の具
最近はアルキド樹脂をベースに作られたアルキド樹脂絵の具もあります。
株式会社クサカベさんから販売されているアルキド絵の具のアキーラは「アクリル樹脂」と「油」の
特性を両方を兼ね備えていて、油絵の具やアクリル絵の具とも親和性がよいとされ、様々な素材に
描ける堅牢な絵の具です。
本当に万能な絵の具のようです。
ここでは私がいつも使っているアクリル絵の具についてその特徴をお伝えいたします。
アクリル絵の具はアクリル絵の具の総称で、アクリルガッシュも含まれますが、私がいつも使用しているガッシュ系でなはく透明性のあるアクリル絵の具について話していきます。
アクリル絵の具とはどんな絵の具
アクリル絵の具は媒質の顔料(色の成分)分子が媒体のアクリルエマルジョンに分散しています。
顔料自体には塗布面との親和性が無く、そのままでは塗布面に留まりません。
ですのでバインダーとしてのアクリル樹脂を用いて顔料を塗布面に接着させています。
また、アクリル樹脂だけですと液状にならないので水とアクリル樹脂のエマルジョンを作り、
そこに顔料を分散させています。
アクリル絵の具はこのようにできています。
アクリル絵の具を使う理由
水分だけが蒸発、乾燥していくとアクリル樹脂が固化し顔料とともに塗布面に強力に接着します。
乾燥時間は水分の蒸発によるので、非常に短時間です。絵の仕上げがとても速くできます。
また乾燥し固着した絵の具は水を弾き、とても丈夫で耐光性もあり、作品の保存性も良好です。
水彩絵の具とは違い、何度でも塗り重ねることができます。
塗り重ねは下の絵の具の色を生かし透明性のある絵の具で油絵のように深みを出したり、
何度も塗り重ねれば下の色を隠蔽することも可能です。
水などを多めに使えば水彩画の様にも描くことができる多彩な技法を駆使できる絵の具になります。
また、紙や板、キャンバスだけでなく石や陶器や鉄などいろんなものに描くことができちゃうんです。
アクリル絵の具っていいでしょう!
唯一の弱点といえば乾燥が早いために塗布面で絵の具を混ぜてグラデーションを作るのが少し苦手?
アクリル絵の具の透明性
アクリル絵の具の透明性には絵の具に使用されているアクリル樹脂が固化した時の透明性と含まれる顔料の種類とその他に含まれる素材で決まってきます。
市販されているアクリル絵の具によって同じ色でも透明性に違いがあります。
私が知っている限りではリキテックスのリキテックスプライムが透明度が高いです。
透明度が高い絵の具は下に塗った色を生かした作品作りが可能となります。
グラデーションもつけやすそうですね。
絵の具を見れば透明度がわかる
写真はターレンスのアムステルダムアクリリックカラー絵の具ですが、左からアゾオレンジ:
◩半不透明、真ん中のバーントェンナ:▨半透明、右のイエローオーカー■不透明と記載されて
います。
ちなみに□透明もあります。
写真はリキテックスのリキテックスプライム絵の具ですが、フタログリーンイエローシェード:透明、イエローオーカー:半透明、チタニウムホワイト:不透明と記載があり、絵の具のチューブには実際に絵の具を塗ってあり黒の点々の透け具合が確認できます。
アムステルダムとリキテックスの同じイエローオーカーでも透明度に違いがあるのが確認できますね。
お勧めのアクリル絵の具
初心者にお勧め
初心者にはお手頃価格なものをお勧めします。
そのアクリル絵の具は、ターナーの「U-35アクリリックス」こちらは画材専門店で手に入ります。
それから、サウザンドショアスの「ohuhuアクリル絵の具」インターネットで入手可能。
安くても結構高品質だと思います。
気になっているのがサクラクレパスの「アクリルカラー」です。誰か使った感想を教えてください。
私はU-35を使ったことがありますが使い勝手もよく問題なく使えましたよ。
ohuhuはあるプロの画家さんも使ているのを見ました。
本格的に絵を描きたい方にお勧め
リキテックスのアクリル絵の具高級タイプ順に「プライム」、「レギュラータイプ」、「ベーシック」
リキテックスプライムは使われているアクリル樹脂の透明度が非常に高く、絵の具を塗った時の色と乾燥した時の色の差がほとんどなく最も使いやすい絵の具と言えます。※絶対おすすめ
ホルベインの「アクリリックカラー」ヘビーボディータイプ
ゴールデンアーティストカラーズの「ゴールデンヘビーボディ」、「ゴールデンオープンアクリリック」
ターレンスの高級タイプ順に「アムステルダムアクリリックカラーエキスパート」、「アムステルダム
アクリリックカラースタンダード」
クサカベの「アキーラセット」こちらはアクリル絵の具ではありませんが、同じように使えます。
これらはみんな問題なく高品質が保証できますので、あとはご予算で好きなものをチョイスしてください。
これからも新しいアクリル絵の具についての情報がありましたらお知らせしたいと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
はじめまして。
画家の佐藤 静です。